8月からKOZAサテライトオフィスに入居されている企業さんをご紹介します。3年前から「ロケット」という新たな串本町の地域資源を活用して、まちの活性化に取り組んできた「株式会社USPジャパン」さんです。
今回、代表取締役社長の新津研一(にいつけんいち)さんと、和歌山オフィスで働くスタッフのみなさんにお話をお伺いしました。
株式会社USPジャパンは、元々、企業や自治体向けのコンサルティング会社として2012年に創業。訪日外国人観光客の誘致事業や、免税制度の整備事業などを通して、日本の観光立国戦略推進に貢献してきました。
そのなかで、観光客の急増によるオーバーツーリズムの問題や、コロナ禍での消費者の気持ちの変化を踏まえ、今年5月に10周年を迎えたタイミングでビジョンをアップデートし、持続可能性を前提に地域活性化と価値創造に取り組む新たな事業展開をスタート。「自由と創造の力で、暮らしと社会を幸せに」を目標に日々仕事に取り組んでいます。
串本町で持続可能なまちづくりを
串本町とのご縁は、3年前に遡ります。もともとロケット・カイロスの打ち上げを担当する「スペースワン株式会社」との繋がりがあり、ロケット打ち上げをきっかけとした地域の活性化に取り組めないかとの相談を受けて串本町を訪れました。
その後、本社がある東京を拠点に串本町の地域活性化のサポートを開始。地域の人にロケットや宇宙への関心を高めてもらうことを目的に、串本町と那智勝浦町が合同で開催したイベント「宇宙ウィーク」をはじめ、ロゴマークやコミック宇宙兄弟とのコラボなど、住民とロケットを繋ぐさまざまなきっかけ作りに取り組んでこられました。
新津さんは「ロケットという資源は地域のみんなのもの」という考えの上で、ロケットという新たな資源をどのように活かすことで、串本町の人たちが元気になり、かつ串本町の人たち自身が盛り上げようという気持ちになれるかという意識で地域活性化のお手伝いをされています。
取り組みを進めていくなか、新津さんは東京からのノウハウを一時的に提供する関わり方に違和感を持ち始めたと言います。「串本、和歌山を元気にするには、和歌山の人たち自身が元気になる必要がある!」その想いから、地元の人をスタッフとして採用し、和歌山オフィスの設立を決心。ちょうどそのタイミングでKOZAサテライトオフィスの入居者募集があり、ロケット関連事業の拠点として利用を開始したということです。
串本町の未来に向けて
最後に、串本町とKOZAサテライトオフィスに対する今後の期待と、USPジャパンとしての決意を新津さんに語っていただきました。
「串本町も、KOZAサテライトオフィスも、どんな人でも集まって、自分のアイデアを出したり、やりたいことを実現したりしていい場所だと思っています。これまで串本は最南端で来づらい場所という立地から訪れていなかった人も多いかもしれません。でも、これからはロケットを一つのきっかけに、いろんな人が集まって地元の人と交流していく場になることを楽しみにしているし、その場に立ち会えるような仕事を始めたということに誇りを感じています。
今後KOZAサテライトオフィスの開発が進むことで新しい人や情報が活発に入り混じり、まちの新たなストーリーが始まる予感がしています。自分たちの会社にとってもパワーになっているし、責任も感じています。僕らも頑張らないとこのオフィスも盛り上がらないし、オフィスが盛り上がらないと自分たちの仕事もうまくいかないんだろうなと思っています。」
串本町で採用された和歌山事務所のスタッフのみなさんも「地元の人が気軽に集えるようなきっかけ作りをしていきたい」と、ロケットに関する情報交換ができるコミュニティ「ロケット応援団」の立ち上げや、ビーチクリーンイベントの企画・運営など、地元の人たちとロケットを繋げるさまざまな取り組みを実施されています。
4名のスタッフのうち3名が串本町出身ということもあり、外からの新鮮な視点も取り入れつつ、地元の人が誇りに思えるような町になるお手伝いをしたいという強い想いを持って、新たな事業の創出を目指して活動されています。
今後のUSPジャパンさんの活躍がますます楽しみです。