11月30日、12月1日の二日間に渡り、串本町主催のイベント「宇宙フェスティバル2024」が、串本町役場旧古座分庁舎(宇宙ふれあいホールSora-Miru)で開催されました。
初日の11月30日は、SHIBUKIさんこと大下倉和彦さんによるSHIBUKIアートのワークショップや、宇宙兄さんズによる水ロケットの工作&打上げ体験ワークショップが行われ、地域内外から家族連れなどが参加しました。
|SHIBUKIアートで宇宙を描くワークショップ|
SHIBUKIアートの動きと、剣道の動きは共通点があるというSHIBUKIさん
SHIBUKIさんは、水に溶かした染料を手に付け、布などに振り下ろして、弾き飛ばされた無数の点で作品をつくるSHIBUKIアーティストとして、国内外での展覧会やライブペイント、ワークショップ等の活動を幅広く展開しています。
今回のテーマはずばり「宇宙」。宇宙をイメージした黒い布にSHIBUKIさんが銀河やロケットを描き、そこに参加者全員で染料のしぶきを飛ばして一つの作品を完成させます。
ワークショップに参加した子どもたちは、SHIBUKIさんの実演を真剣な表情で見つめ、作品が出来上がった後は「楽しかった」「こんなにきれいにできると思わなかった」などの感想を述べ、自分たちがつくった作品に満足しているようすでした。
参加者が各々の好きな色を選び、手に付けてSHIBUKIアートを描く
作品の出来具合について質問されたSHIBUKIさんは「そこは作品を見たみなさんに感じていただければと思いますが、みんなで一つのものをつくりあげたことが大事だと思います。
(交通手段やテクノロジーの発達により)世界がより近くなっていく時代に、アートの力でみんなが仲良くなれる時間をつくっていけたら嬉しいです」と活動の思いや参加者へのメッセージを伝えました。
|水ロケットの工作&打上げ体験|
水ロケットを手に解説する小定弘和さんと、PCでスライド操作を行う小島俊介さん
後半は、宇宙兄さんズこと小定弘和さんと小島俊介さんが、水ロケットの工作&打上げ体験ワークショップを実施。宇宙兄さんズは、公益財団法人日本宇宙少年団の職員さんで、宇宙に関するワークショップや星座の観察会などを全国各地で行っています。
イベントではまず、助っ人として登場したJAXA宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系准教授の三浦政司さんがロケットの定義や、ロケットが飛んで軌道に乗る仕組みなどを解説し、その後ペットボトルや色画用紙などを使って水ロケットを工作。1100mlで満タンになる水ロケットに、どのくらいの水を入れれば最長飛距離になるかをシミュレーターで検証し、場所を串本古座高校旧古座キャンパスのグラウンドに移して打上げ体験を行いました。
水ロケットを発射台に設置し、空気を入れて打上げに備える
水ロケット発射までの手順をアナウンスする管制官は、JAXAの元職員であり、串本古座高校「宇宙探究コース」を受け持つ藤島徹先生です。参加者は専用の発射台に水ロケットを設置し、藤島先生のカウントダウンに合わせて一斉に発射。色とりどりの水ロケットが勢いよく飛び出し、晴天に弧を描いて最長で80mほど飛び続けました。
宇宙兄さんズの小定弘和さんは、「私たちは科学する心を育むことを、一つのテーマとして活動しています。水ロケットのいいところは、火薬ロケットと違い、水と空気があれば何度でも飛ばせるところです。上手くいかなかったとき、次にどう工夫すればいいかを考えながら、何回もチャレンジすることを大事にしてもらえれば」と話します。
参加者は自作の水ロケットの飛距離を嬉しそうに報告するなどし、終了時刻いっぱいまで打上げを繰り返してイベントを楽しみました。